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金融庁ダメ出し「投資信託」ニセモノと一物多価の横行

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 少額投資非課税制度のNISAや個人型確定拠出年金のイデコ(iDeCo)などの活用が広がり、投資信託で資産運用に取り組む人が増えた。そうしたなか金融庁は6月、投信を提供する資産運用会社の問題点を指摘する報告書を公表した。業界向け文書だが、投信を買う個人投資家が知っておきたい点が多く盛り込まれている。ポイントを整理した。

顧客の利益か、グループの収益か

 投信は、資産運用会社が投資家から集めた資金をまとめて管理・運用する金融商品だ。金融庁は、行政方針のひとつに国民の安定的な資産形成を掲げており、投信や資産運用会社の役割を重視している。

 だが、大手の資産運用会社のほとんどは金融グループの子会社であり、顧客の利益よりも、販売手数料を稼いでグループの収益を上げることを優先するきらいがある。そこで、金融庁は、資産運用会社が顧客の利益を最優先にしているかどうかを分析し、問題があれば企業統治や商品組成、運用・管理の改善を求めている。

 金融庁は6月、その最新版の報告書「資産運用業高度化プログレスレポート」を公表した。

 どのような問題を指摘したのか。その本題に入る前に、株式投信の基本をおさらいしておこう。

 投信は運用方針からインデックス型とアクティブ型に分かれる。インデックス型は、日本株ならTOPIX(東証株価指数)などの株価指数に連動する成果を上げることを目指し「パッシブ(受け身)型」ともいう。アクティブ型は指数を上回る成果を目指す。

 運用方針の違いは運用コストに跳ね返る。「市場並み」でいいインデックス型は指数に採用された銘柄を機械的に売買すればいいが、アクティブ型は「市場に勝つ」ため、組み入…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。