人生に必要な「おカネの設計」

70歳男性「孫の教育に1000万円」贈与する場合の注意点

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
  • 文字
  • 印刷
 
 

 定年退職後、無職のA郎さん(70)には、中学受験を予定している10歳の孫がいます。A郎さんは、孫の中学受験のために必要な学習塾の費用や入学金などに使えるお金として、教育資金の一括贈与制度を利用したいと考え、私のところに相談に来ました。

最大1500万円が非課税に

 教育資金の一括贈与制度は、父母や祖父母が、30歳未満の子や孫に対して、利用できます。2023年3月31日までに、金融機関と契約して専用窓口を設けることで一括で贈与でき、年に1度など教育のために使用したことを示す領収書を提出する必要がありますが、最大1500万円に対する贈与税が非課税になります。

 教育資金の対象は、学校などに直接支払うものと、学校以外に直接支払うものに区分され、文部科学省がその範囲を定めています。

 学校などに直接支払うものは、入学金や授業料、入園料や保育料、施設設備費、入学試験の検定料などです。その他、学用品の購入費や修学旅行費、学校給食費なども認められています。

 学校以外に直接支払うものは「教育を受けるために支払われるものとして社会通念上相当と認められるもの」です。たとえば、学習塾やそろばん教室、水泳や野球などのスポーツ教室、ピアノや絵画教室などの費用です。生活費は該当しません。一方、通学定期券代や留学のための渡航費は認められます。これらは500万円が限度です。

使い切れない場合は

 A郎さんは、100…

この記事は有料記事です。

残り1369文字(全文1965文字)

岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。