クルマ最新事情

新型トヨタ86とスバルBRZ「ライバルはポルシェ」

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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試乗会場にはGR86のチューニングカーも展示してあった=千葉県の袖ケ浦フォレストレースウェイで2021年7月13日、川口雅浩撮影
試乗会場にはGR86のチューニングカーも展示してあった=千葉県の袖ケ浦フォレストレースウェイで2021年7月13日、川口雅浩撮影

走ってみたトヨタ86とスバルBRZ(3)

 トヨタ自動車とSUBARU(スバル)が共同開発した新型スポーツカー「トヨタGR86(ハチロク)」と「スバルBRZ」のプロトタイプ(発売前の最終試作車)に千葉県の「袖ケ浦フォレストレースウェイ」で試乗し、初代と比べ、性能の進化を実感した。

 トヨタとスバルは、どんなクルマをライバルと想定して、このクルマを共同開発したのか。環境規制の強化とともに「スポーツカー冬の時代」などと言われる今、あえてこのクルマを投入する意義は何か――。次々と浮かぶ疑問を試乗会場で開発エンジニアに投げかけてみた。

 自動車メーカーは新車を開発するに当たり、世界市場の動向を調べ、「仮想敵国」のようなライバル車を選び、追い抜くべき目標とする。初代86とBRZのときは独ポルシェの高性能スポーツカー「ケイマン」だったことが知られている。

 筆者は両社の開発責任者に今回の「仮想敵国」を尋ねた。すると、スバルの井上正彦氏から「運動性能的には相変わらずケイマンを目標にしています。後輪の蹴り出し感など、いくつかのフィーリングの面では勝っていると思っています。ケイマンはBRZより値段が3倍くらい高いクルマですが、それにひけをとらないレベルの完成度だと確信しています」と、自信に満ちた答えが返ってきた。

 ポルシェ・ケイマンとGR86・BRZは共通点が多い。左右対称でバランスがよく、低重心の水平対向エンジンを比較的コンパクトなクーペボディーに積み、後輪を駆動する。

 高性能だが部品点数が多く、コストのかかる水平対向エンジンを量産する自動車メーカーは、世界でもスバルとポルシェだけとなった。トヨタがスポーツカーの共同開発でスバルと組んだのも…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部