英米の起業家が宇宙旅行ビジネスの実現を競っている。英複合企業ヴァージン・グループを率いるリチャード・ブランソン氏(71)と米インターネット通販大手アマゾン・コムのジェフ・ベゾス会長(57)は7月、それぞれが創業した宇宙開発ベンチャーの宇宙船で宇宙飛行を実現した。
米電気自動車大手テスラの最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏(50)も年内に民間人を乗せた宇宙旅行を予定している。彼らはなぜ宇宙を目指すのか?
ベゾス氏は「5歳の時からの夢」
ベゾス氏は7月20日、自ら創業した「ブルーオリジン」の宇宙船「ニューシェパード」に搭乗し、高度約100キロの宇宙に到達した。7月5日にアマゾンのCEOを退任した後、「5歳の時からずっと夢見てきた」と語る宇宙旅行をついに実現した。
ベゾス氏は幼少期、子どもの自主性を重んじる教育を受けたことで知られる。ロケット研究者だった祖父や、人気SFドラマ「スタートレック」の影響で科学や宇宙への関心を強め、将来は宇宙飛行士か物理学者になることが夢だったという。
1994年に創業したアマゾン・コムが初の黒字を計上したのは2002年だが、00年に早くもブルーオリジンを設立。アマゾン経営の傍らで宇宙への情熱を燃やし続けていた。
ベゾス氏は「地球のエネルギーは有限だ。宇宙で太陽エネルギーを活用すれば、素晴らしい文明が築ける」と宇宙開発の意義を強調する。高度100キロの宇宙旅行にとどまらず、月面着陸機「ブルームーン」を開発しているほか、民間宇宙ステーションの建設構想を掲げている。
冒険家でエンターテイナーのブランソン氏
一方、ブランソン氏は自ら創業した宇宙開発…
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