メディア万華鏡

男らしさが試される?「ハゲ」めぐる男社会の考察

山田道子・元サンデー毎日編集長
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頭髪を気にする男性は多い
頭髪を気にする男性は多い

 前回に続き「ヘア」の話。と言っても、男性の頭のそれ、だ。

 「額が後退している。苦労が多いのね」。新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言発令などの節目に菅義偉首相がテレビに出てくるたび、母がこうもらす。私はあまり気にならなかったが、記者会見のネット配信動画を見ると、コメントで菅首相を罵倒する形容に「ハゲ」が飛び交っていて、ひどかった。

 かつて、共産党副委員長を務めた上田耕一郎さんを私がインタビューした時、「なぜ弟の不破哲三さんと似ていないのか」と尋ねたら、「ハゲと酒飲みという悪いところはオヤジに似たから」という返事が返ってきた。

 この時、上田さんもハゲをネガティブにとらえているのかと思った。そんな記憶がよみがえる。

週刊誌で「薄毛」は定番

 ある意味、永遠のテーマだからか、週刊誌などでは「薄毛」モノは定番だ。週刊新潮は7月8日号から連載「これで『若見え』女と男の『薄毛・抜け毛』対策」をスタートした。初回の書き出しは「“頭上の寂しさ”を気にかける男性は現在、国内でゆうに1000万人を超す」といい、連載では老若男女をさいなむ脱毛症の最新知見を伝える。

 毎日新聞元論説委員の福本容子さんが出したのは「なぜ世界でいま、『ハゲ』がクールなのか」(講談社+α新書)。世界貿易機関(WTO)事務局長だったパスカル・ラミーさんの禿頭(とくとう)に魅せられ、「ラミーさん以外の男性、それも日本人で、ツルツルのハゲという人は、魅力的じゃないのだろうか。そんなことは絶対ない」が結論で、思い込みを捨て、ハゲを最大限プラスに転換し、楽しみなさいと説く。

 サンデー毎日2月28日号「『隠す』『育てる』から『魅せる』へ…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。