人生に必要な「おカネの設計」

「孫に毎年100万円」72歳男性に必須の“贈与契約書”

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 A夫さん(72)は、15歳の孫に生前贈与をしたいと考えています。贈与税の年間の非課税枠が110万円あることを活用する「暦年贈与」で、数年間かけて800万円程度を渡していくことを検討しており、私のところに注意点などがないかと相談に来ました。

基礎控除を利用した暦年贈与

 贈与を活用して相続財産を減らすことができると、相続税の節税につながります。また、贈与は子供や孫への支援にもなるので、生前贈与を希望する人は多く、私は老後の生活設計と合わせて贈与の相談を受けることがよくあります。

 贈与税は、年間に一定額以上の贈与を受けた人に課されます。贈与税が非課税になる制度には、教育資金の一括贈与の特例があります(前回参照)。また、A夫さんが利用したいと考えている暦年贈与も、年110万円以下の贈与税の基礎控除を活用した方法です。

 贈与では、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた人は、基礎控除の年110万円まで税金がかかりません。確定申告も不要です。基礎控除は、贈与を受ける人ごとに認められるので、例えば贈与する人が、4人の孫に10年間、毎年110万円ずつ暦年贈与した場合、4400万円を非課税で渡すことができます。

 しかし、注意点もあります。毎年、同じ時期に同じ金額を継続的に贈与していると、最初からまとまった金額を贈与する意図があったと税務署からみなされ、贈与を受けた人がそれまでに渡された…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。