鉄道カメラマン見聞録

「神戸・和田岬線」たった一駅2.7キロの“異空間”

金盛正樹・鉄道カメラマン
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和田岬線の朝の上り列車が兵庫を目指す。朝夕のみ運行という特殊なダイヤは昔も今も変わらない=兵庫県の山陽線・和田岬-兵庫で2018年、金盛正樹撮影
和田岬線の朝の上り列車が兵庫を目指す。朝夕のみ運行という特殊なダイヤは昔も今も変わらない=兵庫県の山陽線・和田岬-兵庫で2018年、金盛正樹撮影

 今回はちょっと風変わりな通勤路線を紹介します。神戸市にあるJR西日本の通称「和田岬線」です。和田岬線は正式には山陽線の一部に含まれる枝線です。神戸市内の兵庫駅で山陽線から分岐し、次は終点の和田岬駅。全長わずか2.7キロ、たった一駅区間のミニ路線です。

 鉄道カメラマンの私を惹(ひ)き付けてやまない和田岬線の魅力とは何でしょうか。今回は私がプロとなる前に撮った1980年代の秘蔵写真も紹介しながら、このミニ路線の歴史や魅力をお伝えします。

朝夕の通勤時間帯のみ運行

 たった一駅のミニ路線でも、和田岬線には長い歴史があります。明治時代に存在した山陽鉄道という会社が1888年、兵庫―姫路間に鉄道を敷設するため、必要な資材を兵庫港から輸送する路線として敷設したのが現在の和田岬線です。

 現在は和田岬駅に隣接する三菱重工業など、阪神工業地帯への通勤客の輸送が主な役割になっています。そのため列車の運行は朝夕の通勤時間帯のみ。昼間は1本も走らないという特殊なダイヤになっています。日曜・祝日はさらに減って、朝夕に1往復ずつしか走りません。

 ミニ路線ではありますが、沿線には川崎重工業の鉄道車両製造工場があり、「0系新幹線」と「151系特急電車」の先頭車両の展示を見ることができます。さらに、和田岬駅近くの御崎公園に…

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金盛正樹

鉄道カメラマン

 1967年神戸市生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業後、商業写真プロダクション「ササキスタジオ」に7年間在籍。1996年からフリー。鉄道専門誌や一般誌に写真を発表している。「鉄道と名のつくものは、実物から模型、おもちゃまで何でも撮影する」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。鉄道と同じくらいクルマも好きで、愛車はスズキジムニー。機械式カメラ、日本史、日本刀など趣味多数。