地域で光る小さな会社

北海道白老「幻のタラコだけじゃない」加工業者の挑戦

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
  • 文字
  • 印刷
贈答品として人気のある杉ダル入りの「虎杖浜たらこ」=筆者提供
贈答品として人気のある杉ダル入りの「虎杖浜たらこ」=筆者提供

 全国有数の温泉地・登別温泉の南東に位置する北海道白老町虎杖浜(こじょうはま)は、太平洋に面した人口約1300人の小さな地区だ。北海道を代表する地域ブランド「虎杖浜たらこ」の産地として知られるこの地区に、タラコの製造を軸に国内外の食材も取りそろえた販売店を展開する蒲原(かんばら)水産がある。地元の名物だけにこだわらない点に活路を見いだしている同社の商売の仕方を探る。

国内外の食材を加工

 虎杖浜の海岸沿いには通称「海産物ロード」があり、タラコなど地元の食材を扱う直売所が点在。虎杖浜温泉や登別温泉を訪れる観光客の定番ルートになっている。蒲原水産の販売店もこの道沿いにあり、JR虎杖浜駅から南東に徒歩10分ほどだ。もともとタラコの製造をメインにしていた同社工場の一角にあった直売所を移転新設して、2017年に本格的にオープンした。売り上げは直売所のころと比べて3倍近くに伸びている。

 店内には、この虎杖浜たらこを主力商品に、自社製のタラコのくん製、ホタテやイカなどの加工品、調味料などが並ぶ。商品はすべて、同社3代目の蒲原亮平さん(35)が実際に味わい、おすすめしたいという食材を加工したものだ。また、その中には、同社が輸入して塩こうじ漬けなどに加工したノルウェー産のサバや、一夜干しした米アラスカ産のシマホッケなどがある。

 蒲原さんは「店内の商品の食材は、あえて国産にこだわりません。人は一生のうちに約8万回の食事をするといわれます。日々の食卓を少し豊かにできるように、よい食材をそれにあった加工…

この記事は有料記事です。

残り1621文字(全文2269文字)

櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。