経済プレミアインタビュー

コロナ禍で消費減「資本主義衰退」は大げさじゃない

平野純一・経済プレミア編集部
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オンラインでインタビューに答える的場昭弘さん
オンラインでインタビューに答える的場昭弘さん

マルクス経済学者に聞くコロナ禍(上)

 新型コロナウイルスの感染拡大は世界経済に大きなダメージをもたらした。マルクス経済学者の的場昭弘・神奈川大学教授は「コロナ禍で人々は必ずしも買わなくてよいものがたくさんあることを知った」という。そして「コロナ禍で資本主義は衰退する」と話す。的場氏に詳しい理由を聞いた。【聞き手は経済プレミア編集部・平野純一】

 --新型コロナは、社会と経済に大きな影響を与えています。マルクス経済学者の立場から、コロナ禍をどのように見ますか。

 ◆的場昭弘さん 新型コロナの感染拡大の影響は、弱いところにしわ寄せがいく形になっています。正規雇用より非正規雇用、大企業より中小・零細企業。さらに飲食や観光などのサービス産業は女性の就業比率が高く、結果として、職を失ったり収入が減ったりする女性が多く出ることになりました。

 --その中で、格差が拡大しています。

 ◆所得の格差は、近年、ずっと問題になってきましたが、コロナがさらに追い打ちをかけました。非正規雇用や中小・零細企業のように、一般に所得の低い人に影響が強く及んでいます。

買わなくていいものがたくさんある

 --さらに、格差が固定化している傾向がありませんか。

 ◆これは大きな問題です。特に先進国では、格差の固定化が強まっているように思います。従来の安全弁であった家族、地域、友人などのつながりが次第に失われ、個人主義が一般化したことで、所得とは個人の能力によるものだという価値観が広がりました。1990年代以降は、新自由主義がこの価値観と結びつきました。

 また、先進国は外国への工場移転などで国内経済が空洞化し、国内のいわ…

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平野純一

経済プレミア編集部

1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。