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星野リゾート代表が語る「有名観光地の落とし穴」

星野佳路・星野リゾート代表
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唐破風造りの屋根が目を引く大分県別府市営の竹瓦温泉=大分県別府市で2021年4月、金澤稔撮影
唐破風造りの屋根が目を引く大分県別府市営の竹瓦温泉=大分県別府市で2021年4月、金澤稔撮影

 星野リゾートは7月、大分・別府に温泉旅館「界 別府」を開業しました。別府は全国有数の温泉地ですが、地元では「人気が落ちてきたのではないか」と心配する声があります。観光地にも栄枯盛衰はつきものです。星野佳路代表はどう見ているのでしょう?

星野佳路の家業のメソッド

 私は全国の観光地を見ていますが、「別府は強い」と感じています。別府には2019年に、英インターコンチネンタルホテルズグループが開業して、世界に情報が発信されています。オリックスグループが運営する「杉乃井ホテル」も非常に好調です。

 そこに、星野リゾートが「界 別府」をオープンさせました。こうした新規投資が入ってきていて、地元で言われるような「心配な感じ」を、私は持っていません。

 圧倒的な温泉資源があり、独自の文化がある。豊富な労働力もありますし、空港アクセスなど交通インフラもしっかりしていて、簡単に揺らぐような観光地ではないと考えています。

 ただし、逆に言うと、それほど困っていないから、観光地として「抜本的に良くしていこう」「今あるものを捨ててでも、みんなでまとまろう」という動きにはなりにくい側面があると思います。今でも、そこそこ良い状況の中では、利害関係が先に立って、関係者がまとまりづらい。長期的に見ると、そういう不安はあるかもしれません。

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星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。