経済記者「一線リポート」

物流を妨げる人流 記者が目にした驚きの光景とは

中津川甫
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交通規制が敷かれた道路で沿道を埋め尽くす観戦客ら=東京都港区のお台場海浜公園前で2021年7月31日午前7時44分、中津川甫撮影
交通規制が敷かれた道路で沿道を埋め尽くす観戦客ら=東京都港区のお台場海浜公園前で2021年7月31日午前7時44分、中津川甫撮影

 4月から国土交通省担当になった記者にとって、目下の関心は東京オリンピックに伴う交通網、物流網への影響だ。その取材を続けていると、意外なことが物流網の「ハードル」になっているという話を耳にした。さっそく現場に向かうと、そこには驚きの光景が広がっていた。

「予想できなかった」2時間遅配のワケ

 五輪開催に伴い、東京都内を中心に渋滞が頻発している。トライアスロンや自転車ロードレースなど、公道を使った屋外競技の会場周辺では交通規制が実施されているほか、首都高では大会関係者を円滑に輸送するため、午前6時から午後10時にかけマイカーの通行料金が上乗せされているためだ。

 物流網に影響はないのだろうか。それを確かめるため7月30日、宅配大手ヤマト運輸を訪ねた。競技会場など五輪関連施設が集中する湾岸地区を受け持つ百塚光朗エリアマネジャー(江東西担当)に聞くと「現時点で、幸い大きな混乱は起きていません」。

 同社では交通規制などを見越し、都内の他エリアから12人の応援を呼ぶなど早くから準備を進めてきた。首都高の値上げも事業用車両は対象外だ。新型コロナウイルスの感染拡大で大会が無観客開催になったこともあり、影響は限定的なものにとどまったということらしい。

 現場には湾岸地区の宅配を受け持っている30代の男性ドライバーの姿も。話を聞くと「この前、予定時間より2時間も配達が遅れてしまいました」と頭をかいた。「交通規制は織り込み済みだったが、あれはさすがに予想できなかった」。男性の言う「あれ」とは何か。翌日、…

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中津川甫

地方紙を経て2013入社。北陸総局、京都支局で勤務し19年5月から東京本社経済部。現在は小売り、外食、商社などの民間企業を主に担当している。