スルガ銀行 不正の構図

「総額700億円強」スルガ銀不正で334人が賠償請求へ

今沢真・経済プレミア編集部
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オンラインで記者会見する山口広弁護士(右)、河合弘之弁護士(中央)ら=2021年8月13日
オンラインで記者会見する山口広弁護士(右)、河合弘之弁護士(中央)ら=2021年8月13日

 スルガ銀行の不動産向け不正融資の購入者救済を目指す「スルガ銀行不正融資被害弁護団」は8月13日、銀行側の代理人弁護士と初めての交渉を行い、終了後に記者会見した。同行の融資で中古アパートやマンションなどの1棟物件を投資目的で購入した334人が、この日までに弁護団への交渉委任を申し出た。弁護団は融資に不正があったことを確認したうえで、8月末までに同行に損害賠償を請求する方針だ。

 アパート、マンション向け融資をめぐっては、スルガ銀行が6月に開いた定時株主総会に購入者約100人が株主として出席し、弁護団を介した集団交渉に応じるよう経営陣に求めた。同行側は要求には応じず、従来通り個別の相談に応じる考えを表明。購入者が答弁に激しく反発して怒声が飛び交い、株主質問が途中で打ち切られるなど混乱した。その後、銀行側代理人と弁護団が協議し、この日の初交渉となった。

銀行側との交渉に購入者が同席

 交渉はオンラインで非公開で行われ、弁護団と銀行側双方の弁護士のほか、購入者3人が同席した。3人は物件を購入した経緯を説明。銀行と不動産仲介業者の共催セミナーが購入のきっかけだったことや、預金通帳や家賃一覧表の改ざんといった不正をされたうえ、かなりの高値で購入して返済不能に陥ったと訴えた。

 弁護団は、スルガ銀行の経営陣も交渉に同席するよう求めたが、実現しなかった。また、次回交渉にも購入者を同席させ、引き続き購入時の状況説明を行う考えを示したが、銀行側弁護士は回答を保留したという。

 銀行との交渉を委任した購入者について、弁護団は融資額をそのまま各人の損害賠償請求額として8月中に銀行に通知する方針だ。弁護団に…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。