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退職金運用をプロ任せ「ファンドラップ」の意外な盲点

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 金融機関が顧客に代わってまとまった資金を運用する「ファンドラップ」が拡大している。運用を「プロに任せる」安心感から、主にシニア層の退職金資金を取り込んで成長しており、取り扱う銀行が増えて一段と身近になっている。ただし、運用中のコストは高くなりがちで、結果的に思うような成果が上げられないこともある。

最低運用残高は数百万円程度

 証券などの金融機関が顧客と投資一任契約を結び、顧客に代わって資産を運用する金融サービスを「ラップ口座」という。ラップ(wrap)は英語の「包む」で「資産を大切に包む」という意味合いがある。

 日本投資顧問業協会によると、ラップ口座は2020年末時点で残高10兆5891億円、113万8650口座と過去最大になった。17年3月末と比べ残高は1.6倍、口座数は2倍と大きく伸びた。

 ラップ口座には、債券や株式なども広く運用対象とする「SMA(セパレートリー・マネージド・アカウント)」と、投信だけで運用するファンドラップがある。

 SMAは富裕層向けで最低運用残高が数千万~数億円。これに対しファンドラップは数百万円から利用できる。ラップ口座残高の9割程度はこのファンドラップだ。

 ファンドラップを利用する場合、サービスの流れは次のようになる。

 まず、金融機関の担当者が顧客と面談し、資産運用の目的、期待する収益率、リスク許容度などを聞き取る。その情報を基に、顧客に最適な資産配分からなる運用コースを提案し、顧客が同意すれば投資一任契約を結ぶ。

 運用は専用投信に投資する方式で行い、市場環境が変化すれば、顧客に最適な資産配分比率を保つよう、投信を売買して調整する。顧客には定期…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。