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人気の「予想分配金提示型」67歳男性は投資すべきか

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 A男さん(67)は、定年時の退職金を預け入れている金融機関から「予想分配金提示型」という毎月分配金が出る投資信託を勧められました。「投資信託の価格である基準価額が値上がりした分だけ分配金が受け取れるので、長期の資産保有に向いている」と言われたそうです。魅力的に感じていますが、実際に投資していいものかどうか、私のところに相談に来ました。

新タイプの毎月分配型投信が人気

 A男さんが勧められている「予想分配金提示型」は、ここ数年で人気を集めている新しいタイプの投資信託です。現在、数十本の商品があります。従来人気のあった毎月配分型の投資信託の資金流出が続く中、新しいタイプは資金流入が増加の一途をたどっています。

 従来タイプの商品は、毎月の分配金の額が決まっているものが主流です。そのため、運用でもうかった分が分配金を下回る時は、元本の一部を切り崩すといったケースがありました。こうしたケースは「タコ足分配」といわれます。その結果、基準価額が相当下落した商品もあります。

 A男さんは、従来タイプの商品のリスクを理解していました。金融機関から勧められたこともありましたが、投資することはありませんでした。

リスクは限定的?

 新しいタイプの商品も分配金が出ます。毎月が主流で、隔月や四半期に1回というものもあります。分配金は、基準価額の上昇による利益と、投資する株式の配当金や債券の利息から出るのが原則です。

 分配金の額は、基準価額の水準であらかじめ決まっています。例えば、1万口あたりの基準価額が「1万1000円未満は分配金なし」「1万1000円~1万2000円未満は200円」「1万2000円~1…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。