毎日家業×創業ラボ

大塚家具の“お家騒動”に学ぶ「危うい家族内株式分散」

入山章栄・早稲田大大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授
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デザインを一新したロゴを前に、販売戦略を語る大塚家具の大塚久美子社長(当時)=東京都新宿区で2015年7月、岡大介撮影
デザインを一新したロゴを前に、販売戦略を語る大塚家具の大塚久美子社長(当時)=東京都新宿区で2015年7月、岡大介撮影

 入山章栄・早稲田大大学院教授の連載「未来を拓(ひら)く経営理論」は、世界の経営学の知見をビジネスパーソンが実践できる形で分かりやすく紹介していきます。中小企業や家業経営者の「やってはいけない」シリーズ最終回のテーマは「一番大事なのは会社の株式であること、忘れるべからず」です。

入山章栄教授の「未来を拓く経営理論」

 今回も、中小企業やファミリービジネス(家業)の後継者のみなさんへ、経営学の知見や、さまざまな企業を見てきた私自身の視点から、アドバイスを述べたいと思います。

 ファミリービジネスは、オーナーである創業家の人たちが会社を経営する例が非常に多い。すなわち「会社の経営と所有が一致している」のが特徴です。

 しかし、代替わりの際には、経営だけは後継者に引き継いだけれども、株式はまだ親御さんが握っているという状況が生じます。後継者は事業を承継すると、経営戦略ばかりに気持ちが行きがちですが、株式のことを決して忘れてはいけませんし、妥協してもいけません。

 ファミリービジネスの強みは、会社の経営と所有が一致…

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入山章栄

早稲田大大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授

 1972年生まれ。慶応大学経済学部卒業。米ピッツバーグ大経営大学院から博士号を取得。2013年に早稲田大大学院准教授。19年から現職。世界の経営学の知見を企業経営者やビジネスパーソンが実践できる形でわかりやすく紹介している。主な著書に「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)など。