経済プレミアインタビュー

浜矩子氏「コロナ世界恐慌の火種は消えていない」

平野純一・経済プレミア編集部
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オンラインでインタビューに答える浜矩子さん
オンラインでインタビューに答える浜矩子さん

浜矩子氏に聞くコロナ禍と世界経済(下)

 コロナ禍が長引けば、世界経済は“消耗戦”を強いられる。各国が自国の政策を優先すると、国際協調に乱れが生じ、大きな危機を引き起こしかねないのでは。国際経済に詳しい同志社大学教授の浜矩子さんに聞いた。【聞き手は経済プレミア編集部・平野純一】

 ――コロナ禍で世界経済は大打撃を受けていますが、これが長引けば、世界は消耗戦を強いられます。

 ◆浜矩子さん そうですね。ただ、一つの光明となったのが、7月の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での国際法人課税に関する大枠合意です。国境を越えてビジネスを行う多国籍企業に対する課税を強化し、法人税率を最低15%とし、企業が拠点を設けずにサービスを展開している国にも課税権を認める――としました。

 経済協力開発機構(OECD)で議論してきた139カ国・地域のうち何カ国かが同意していないという問題はあるし、10月のG20首脳会議で最終合意できるかはまだわかりませんが、国々がバラバラに自国優先主義的な租税政策に走っていた状態から、少しは足並みをそろえようとし始めたのは良いことです。税収が上がれば弱い人たちへの再分配に使えます。

国際課税の合意は一歩前進

 ――“新自由主義万歳”で進んできた流れが、米国ではトランプ大統領からバイデン大統領に代わるなど、少しはネジを巻き戻さなければということだと思いますが、一方で、格差は縮まるどころか、拡大していく懸念は依然としてあると思います。

 ◆そこをどう乗り越えるかです。国際課税の大枠合意は、やはり各国が行き詰まっているから出てきたのだと思います。

 同様に企業側…

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平野純一

経済プレミア編集部

1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。