
auが、物理的なSIMカードの抜き差しが必要ない「eSIM」のサービスを始めた。KDDIのオンライン専用料金プランpovo(ポヴォ)はeSIMに対応済みで、低料金ブランドUQモバイルも9月中に対応させる予定だ。
ソフトバンクは、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMO(ラインモ)の3ブランドがeSIMに対応済み。楽天モバイルも2020年4月の本サービス開始時からeSIMを選択できていた。これでNTTドコモ以外の大手3社がeSIMに対応したことになり、普及に弾みがつきそうだ。
複数の事業者の情報を書き込める
eSIMは、SIMカードが必要なくスマホに内蔵されたICチップに通信事業者の情報を書き込む。ネットで契約や書き換えが可能なため、店舗に出向く必要なく発行できるのがメリットだ。
時間を選ばず、慣れれば簡単に設定できるため、通信事業者の乗り換えを促進すると言われている。通信事業者同士の競争を通じた料金値下げを進めたい総務省は、大手通信事業者にeSIMの導入を強く推奨しており、今年から各社の対応が加速している。
また、格安スマホ事業者各社も大手通信事業者に対して、eSIMを書き込むための設備を貸し出すことを求めており、近く実現する可能性が高い。
実際、ビッグローブが運営する新ブランドの「donedone(ドネドネ)」は、eSIMを見すえたデータプランを提供している。同社の「エントリープラン」は料金が0円で、通常時は128キロビット秒に速度を制限。将来的には、追加の料金を払ったときのみ高速通信ができる仕組みを用意するという。
普段は他社の通信事業者を利用しつつ、0円でエントリープ…
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