ニッポン金融ウラの裏

みずほ6度の障害で見えた経営者の「現場軽視」

浪川攻・金融ジャーナリスト
  • 文字
  • 印刷
システム障害について記者会見する坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長(左)と藤原弘治・みずほ銀行頭取=東京都千代田区で2021年8月20日、大西岳彦撮影
システム障害について記者会見する坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長(左)と藤原弘治・みずほ銀行頭取=東京都千代田区で2021年8月20日、大西岳彦撮影

みずほ6度の障害(上)

 今年2月から3月にかけて4度のシステム障害を起こしたみずほフィナンシャルグループで、8月に再び2度の障害が発生した。立て続けの障害発生で、銀行として信頼できるかどうかの危機に直面している。みずほは31日、システムの総点検を行うとする報告書を金融庁に提出したが、6度の障害で経営陣の「現場軽視」とも言える姿勢が浮き彫りになった。

 8月20日午前、みずほ銀行やみずほ信託銀行の全国の支店の窓口で、入出金や振り込みなどが受け付けられない状態になった。同23日にもみずほ銀行の現金自動受払機(ATM)の一部が一時利用できなくなった。

 20日のシステム障害は、基幹システムと支店の端末をつなぐ機器が故障したことで起きた。前日の夜9時ごろに異常を検知して復旧作業にあたったが、バックアップ機器への切り替えがうまくいかなかった。障害発生をホームページで公表したのは翌20日の午前8時半。営業開始の30分前だった。

 障害発生の緊急連絡を受けた支店では、午前7時半には行員全員が配置についた。支店の窓口には、開店時から資産運用などの相談予約が入っている。だが、予約していた顧客は「銀行側から予約取り消しの連絡は来なかった」と言う。店に来てはじめて障害を知ったというのだ。

取引先から怒鳴られる担当者

 顧客に対する配慮を欠く実態は、今春の障害でも見受けられた。

 いま、銀行業界ではデジタル技術を活用した店舗改革が進んでいる。支店で人手をかけて行ってきた事務手続きを事務センターに集約し、経費を大幅に削減することが柱だ。個人客に特化する支店を設け、資産運用や相続などの相談にきめ細かく応じると…

この記事は有料記事です。

残り685文字(全文1381文字)

浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。