ニッポン金融ウラの裏

みずほ「坂井1強体制」繰り返す障害と責任の取り方

浪川攻・金融ジャーナリスト
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システム障害について記者会見で謝罪する坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長(左)と、藤原弘治・みずほ銀行頭取=東京都千代田区で2021年8月20日、大西岳彦撮影
システム障害について記者会見で謝罪する坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長(左)と、藤原弘治・みずほ銀行頭取=東京都千代田区で2021年8月20日、大西岳彦撮影

みずほ6度の障害(中)

 8月19日から20日にかけて発生した今年5度目のシステム障害を踏まえ、みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長が20日夕に記者会見した。責任を問う記者の質問に対し、坂井氏は「システム障害の原因究明と再発防止体制を築くことが私の責任である」と答えた。

 今年2、3月に4度のシステム障害が相次いだ際も、坂井氏は「原因究明と再発防止が私の責任」と述べていた。その「再発防止」ができなかった今回のシステム障害の記者会見でも、同じ言葉を繰り返した。

障害をめぐる論点は

 みずほは2019年に新しい基幹系システム「MINORI(みのり)」を本格稼働させたが、そこでシステム障害が多発している。たしかに、その根本原因を把握し対策を構築しないうちは、坂井氏が引責辞任してもリスクは解消されない。

 しかし、システム障害の責任を巡る論点はそれだけではない。

 そもそも、2、3月のシステム障害の発端となったのは膨大な預金関連データの移行作業だった。最大の繁忙期である年度末に差しかかるタイミングで膨大な件数のデータを移行させる作業を、「予行のテストを経ないで行ってしまった」(みずほ関係者)という。

 しかも、みずほグループは4月に統廃合を含む店舗再編を計画していた。そのために多くの人事異動を予定していた。それだけではない。2月19日に、みずほ銀行の頭取交代人事(4月1日付)も発表していた。

 こうした“ヘビー級のイベント”を、年度をはさんで次々と行おうとしていた。いま振り返れば「無謀な計画」だったとも言える。ただし、大幅なコスト削減を狙いとした店舗再編に異を唱えるムードはグループ内にな…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。