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ゼロをイチに!動き始めた「デザイン×ものづくり」

清水憲司・デジタル編集本部
パイロットと本多プラスのコラボレーションで生まれた「ハイテックC リッシュ」=本多プラス提供
パイロットと本多プラスのコラボレーションで生まれた「ハイテックC リッシュ」=本多プラス提供

 田舎と都会、中小企業と大企業。この二つのギャップを埋めるため、「本多プラス」の本多孝充さんは、あこがれの地である東京・表参道に小さなオフィスを構え、2004年、美大出身者らをデザイナーとして迎え入れました。目指すのは、デザイン×ものづくりを突き詰めて、自らの手で「世界に通用するブランド」を生み出すこと。しかし、愛知・新城の中小メーカーである本多プラスには、知名度と実績が不足していました。どうやって「ゼロ」を「イチ」にしていったのか。本多さんが走ります。

私の家業ストーリー<3>本多プラス・本多孝充さん

 6畳一間でもいい。「自分で考え、自分で作り、自分で売るオリジナルブランド」の店を開き、世界に打って出たい。このビジョンを実現するためのステージは、ファッション界をリードする世界的なブランドが建ち並び、自らのデザインと感性を磨いてくれる東京・表参道しか考えられなかった。

 まだ見ぬ理解者との出会いを求めて、本社のある愛知・新城と東京を往復する日々。少しずつ人脈は広がったものの、自らのプラスチック成形技術とデザインを製品の形にして、実際の取引に結びつけるには、知名度と実績が不足していた。「ゼロ」を「イチ」するきっかけはなかなかつかめなかった。

 「君はすごく面白いことをやろうとしている」。こう声をかけてくれたのは、長く主力事業だった修正液ボトルで取引がある文具メーカー、パイロットコーポレーションの開発部長だった。仕事に厳しい人で急に怒り出すこともあったが、商品開発に対する熱意と直感力、人間的な温かさを感じ、「学べることがあるかもしれない」と食らいついていた。

 ある日、京橋の本社に呼ばれ、「全く新しいボールペンを作りたい。君にそのデザインをやってもらいたい」と提案された。まずは化粧品市場への参入を目指す自分に、なぜボールペンなのだろうと首をひねっていると、部長は「文具と化粧品の商品開発は…

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デジタル編集本部

毎日新聞のファミリービジネス・メディア「リファラバ」編集長。前橋支局、経済部、ワシントン支局など。「日本経済再生のカギはファミリービジネスにあり」と考え、リファラバを立ち上げ。