シニア市場の正体

シニア女性が見た東京五輪「不安と感動」入り交じり

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
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東京五輪の開会式で聖火がともった聖火台=2021年7月23日、徳野仁子撮影
東京五輪の開会式で聖火がともった聖火台=2021年7月23日、徳野仁子撮影

 東京オリンピックは、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で開催され、その賛否が問われました。そうした中、シニア女性は東京五輪をどのように見ていたのでしょうか。

 私が所属する「ハルメク 生きかた上手研究所」は、五輪開幕前の6月4~7日と、閉幕後の8月13~16日に東京五輪に関する質問を含むアンケート調査をウェブ上で行いました。また、当社が8月25日に開催した会員向けのオンライン交流会でも、東京五輪について聞きました。今回は、調査の結果とオンライン交流会での声を紹介します。

不安と肯定

 まず、五輪開幕前の調査結果です。この調査は50~84歳の女性を対象とし、471人から有効回答を得ました。この時点では、五輪開催について「中止」「再延期」を求める声が65%に達しました。六つの選択肢から一つの回答を選ぶ形で質問しました。具体的には「中止」が48.0%(226人)、「再延期」が17.8%(84人)でした。

 一方で「無観客で開催」が17.2%(81人)、「観客数を制限して開催」は10.0%(47人)、「予定どおり開催」が1.1%(5人)で、「分からない」が5.9%(28人)でした。シニア世代のワクチン接種は進みつつあるタイミングでしたが、その過半数が五輪開催に懐疑的だった様子が読み取れました。

 次に、五輪閉幕後の調査結果です。こちらは50~79歳の女性を対象とし、426人から有効回答を得ました。「東京五輪を開催して良かったと思いますか?」という質問(四つの選択肢から一つを選ぶ)に対して、「良かった」が25.4%(108人)、「やや良かった」が35.0%(149人)で6割に達しました。一…

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梅津順江

株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。