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映画「MINAMATA」ユージン・スミス氏の元妻が語る

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アイリーン・美緒子・スミスさん=蘆田剛撮影
アイリーン・美緒子・スミスさん=蘆田剛撮影

 水俣病を世界に伝えた写真集『MINAMATA』。この写真集を原案とした映画が今秋、公開される。写真集の共著者であるアイリーン・美緒子・スミスさんに、当時の取材の様子や、映画が今、公開される意義を聞いた。

(聞き手=りんたいこ・ライター)

── 元夫の米国人報道写真家W・ユージン・スミスさんをモデルにした映画「MINAMATA─ミナマタ─」が9月23日に公開されます。

アイリーン 水俣病患者さんと家族の苦しみ、人間の美しさや親子の絆、みんなが一緒に努力すると本当に大きいことができるということを知ってほしい。彼らが頑張ったから環境対策も厳しくなり、そこで授かった子どもたちが親になっている。そういうつながりや恩恵を、当時を知らない人たちに知ってもらうきっかけになる。そこに、この映画の意義があると思います。

── ユージンを演じるのは世界的に知られる米国人俳優ジョニー・デップさんです。デップさんとはどのような話をしましたか。

アイリーン ジョニーとは、2018年秋に彼が日本に来た際、一緒に昼食を取りながら初めて話をしました。彼は、「水俣の患者さんたちは長い間苦しんできた。問題は今も解決されておらず、いまだに続いていることが信じられない」と話していました。それから、「(名前の)Wは何の略か」と聞かれるたびに、本当は「ウィリアム」なんだけれど、ニコッと笑って「ワンダフルだ」と答えていたユージンの遊び心を、「すごく楽しい」とも言っていました。

── 改めて、今回の映画化をどう受け止めていますか。

アイリーン 当時を知っている私としては複雑な気持ちもありますが、ユージンの写真や私たちの仕事が今、取り上げら…

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