毎日家業×創業ラボ

デザインとアートが巻き起こす「プラスチックの逆襲」

清水憲司・毎日新聞経済部副部長(前ワシントン特派員)
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廃プラで作ったギターを構える「本多プラス」の本多孝充社長=同社の「ameワークショップ」で(同社提供)
廃プラで作ったギターを構える「本多プラス」の本多孝充社長=同社の「ameワークショップ」で(同社提供)

 「本多プラス」の本多孝充さん(52)は、愛知・新城から東京・表参道に打って出ることで、片田舎のプラスチック会社を「デザイン×ものづくり」の会社へと飛躍させました。一方で、使い捨てにされることの多いプラスチックには、地球環境保護の文脈から逆風が強まっています。「スポットライトが当たった今こそ、プラスチックの価値を見直してもらうチャンス」と言い切る本多さん。デザインの力をテコに、プラスチックの逆襲が始まろうとしています。

私の家業ストーリー<4>本多プラス・本多孝充さん

 文具メーカーのパイロットコーポレーションと共同開発したコスメペン「ハイテックC リッシュ」、味の素とのコラボで生まれた携帯用「アジパンダ」……。こうして実績と認知度を積み上げた本多プラスには、化粧品や食品、製薬、日用品メーカーから、パッケージだけでなく新商品のブランディング(ブランド構築戦略)の相談が持ち込まれ、高級ブランド店やコンサート、テレビドラマのディスプレーやセットのデザインまで依頼されるようになった。

 東京・表参道でゼロから始めた人脈作り、その出会いを生かして地道に磨いたデザイン力が、会社を大きく飛躍させた。

 「お前たちは影武者なんだから、後ろに下がっていろ」。異色のプラスチック会社として頭角を現し始めた2000年ごろ、業界関係者からこんなふうに言われたことを覚えている。

 プラスチック会社は大半が下請けで、問屋や…

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清水憲司

毎日新聞経済部副部長(前ワシントン特派員)

 1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。