経済プレミア・トピックス

自民党総裁選・河野太郎氏の「脱原発封印」は本当か

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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自民党総裁選で発言が注目される河野太郎行政改革担当相=首相官邸で2021年9月14日、竹内幹撮影
自民党総裁選で発言が注目される河野太郎行政改革担当相=首相官邸で2021年9月14日、竹内幹撮影

 自民党総裁選(17日告示、29日投開票)へ出馬を表明した岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎行政改革担当相の原発をめぐる政策が注目されている。河野氏が「持論だった脱原発を封印した」というのは本当なのか。

 さらに岸田、高市、河野各氏の発言を比較すると、原発をめぐる政策で意外にも「ある共通項」の存在が浮かび上がる。一体どんなことなのか。

「原発を当面は再稼働」で波紋

 河野氏が9月10日の総裁選出馬表明の記者会見で「再生可能エネルギーを最大限、最優先で導入していく。それでも足りないところは、安全性が確認された原発を当面は再稼働していく。それが現実的だろうと思っています」と発言したことは、波紋を広げた。

 メディアはこの発言を踏まえ、河野氏が「持論を封印し、党内保守派への配慮をにじませた」(毎日新聞)などと報じた。持論とは言うまでもなく、河野氏がこれまで著作やブログなどで「脱原発を実現します」と語ってきたことだ。

 記者会見後、河野氏は民放テレビの番組で「脱原発の旗を降ろすのか」と問われ、「違います、違います。脱原発というのは時間軸の話です。これから新増設がなくなれば、原子力は順次減っていきます」と否定した。

 別の民放番組では「首相になったら脱原発を進めるのか」と問われ、河野氏は「脱原発の定義によります」と答えた。

 河野氏は「どういう定義で脱原発というのか、人によって違うと思いますから、何か一つの言葉でくくるのはやめておいた方がよいと思います」とも記者会見で発言している。

河野氏の長年の持論とは

 どういうことなのか。エネルギー政策で河野氏のブレーン役となっている関係者は「河野氏は昔から…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部