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「こんなマンションは嫌だ」管理会社が契約更新を断る時代

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管理会社のホンネ 負担ばかり増す一方

 マンション管理適正化法(2001年8月施行)には、管理会社に課せられたたくさんのルールがある。管理費などの保管方法や管理組合と委託契約を締結する前の重要事項説明などだ。他にも管理組合の自立を促す内容も盛り込まれているが、管理組合側を保護する色合いが強い。この適正化法施行以降、マンション管理会社の業務量は急増した。

 それから二十余年、管理会社を取り巻く社会環境は大きく変化している。最低賃金の急上昇は、これまで高齢者を管理員など社員として雇用してきた管理会社の収益を圧迫した。また、管理員は定年後の高齢者の雇用の受け皿ともなっていたが、65歳定年制の導入で定年が延びたことにより、管理員の応募者数が激減して採用難となっている。

 管理組合の理事会に出席して支援業務を行うのが、管理会社で「フロント担当」と呼ばれる職種だ。管理会社は社員の若いうちに経験を積ませ、マンション管理業務の国家資格「管理業務主任者」を取得させているが、サービス水準を維持するには1人15組合が限界である。管理会社として人材は確保したいものの、少子化などもあって採用の難易度は高く、労働集約型産業の弱みが今、一挙に露呈している。

 一方、安値受注して管理戸数を稼ごうとする管理会社や、管理組合に対して管理費用の減額を指南するコンサルタントの存在は、管理の質の向上と合わせて値上げしたい管理会社にとっては逆風になった。それだけが理由でないにしろ、日本のマンション管理会社数はM&A(合併・買収)が進んだことなどにより、2020年度末は1957社と06年度のピークから3割ほど減っている(国土交…

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