経済プレミア・トピックス

歌舞伎町や大阪なんばがコロナで「地価急落」のワケ

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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コロナ禍の影響で地価の下落が目立った東京都新宿区歌舞伎町=2021年8月11日、吉田航太撮影
コロナ禍の影響で地価の下落が目立った東京都新宿区歌舞伎町=2021年8月11日、吉田航太撮影

 国土交通省が9月21日に発表した今年の基準地価(2021年7月1日時点)は、昨年に続き新型コロナウイルスが地価に与える影響が注目された。

 住宅地と商業地に工業地などを加えた地価の「全用途平均」は前年比マイナス0.4%となり、2年連続で下落したが、20年の同0.6%から下落幅が縮小した。昨年は訪日外国人旅行者の減少や飲食店の営業自粛などの影響で、東京・銀座や大阪・なんばの地価下落が話題となったが、今年はどうなったのか。

 今回、全国約2万の調査地点のうち、地価が下落したのは全体の54.1%で、20年の60.1%より改善した。ただし、上昇は全体の22.5%にとどまり、残る23.5%は横ばいだった。先行きはまだ見通せないが、今夏までのコロナで地価の下落が一気に進むという最悪の事態は避けることができた。

 過去に地価の下落が目立ったリーマン・ショック直後と比較しても、コロナが地価にもたらした傷口はそれほど深くなかった。09年の全用途平均は前年比マイナス4.4%、10年は同3.7%と、今回よりも深刻だった。

繁華街や観光地が下落

 気になるのは、住宅地より商業地の地価の落ち込みが目立つことだ。全国平均の地価の下落率は住宅地が20年の0.7%から21年は0.5%と下げ幅が縮小したのに対し、商業地の下落率は0.3%から0.5%と拡大した。コロナ禍前までは住宅地より商業地の方が地価は好調だったが、逆転した格好だ。これはどういうことなのか。

 昨春以降、度重なる緊急事態宣言の影響で、全国の飲食店や商業施設、旅館・ホテルなどは大打撃を受けた。このため商業地の需要が下がり、地方都市だけでなく、東京・銀座、大…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部