経済プレミア・トピックス

高市・岸田氏なぜ「小型原発と核融合炉」主張するのか

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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自民党総裁選のインタビューで記者の質問に答える高市早苗前総務相=衆院第1議員会館で2021年9月19日、前田梨里子撮影
自民党総裁選のインタビューで記者の質問に答える高市早苗前総務相=衆院第1議員会館で2021年9月19日、前田梨里子撮影

 自民党総裁選で高市早苗前総務相と岸田文雄前政調会長は自身のエネルギー政策として、小型モジュール炉(SMR)と呼ばれる小型原発の建設や核融合炉の研究開発を主張している。果たしてどんな政策で、実現可能性はあるのか。

 高市氏はこれまでの討論や記者会見でエネルギー政策について「優先したいのは小型モジュール炉の地下立地。もう一つは核融合炉だ。核融合炉はウラン、プルトニウムが必要ないし、高レベル放射性廃棄物が出ない。これを国産でと考えている」などと発言している。

 岸田氏も「再エネ一本足打法では対応できない。原子力は大切な選択肢だ。将来的に小型炉、核融合につなげていくということだ」と語っている。

小型原発、核融合炉とも開発途上

 小型モジュール炉は一般に最大出力が30万キロワット以下で、設備や機器を規格部品(モジュール)のように工場で生産し、建設地で組み立てる次世代の小型原発を指す。これまでの原発が最大出力100万キロワット級と大型で、完成までに多額の建設費と時間がかかるため、モジュール化と大量生産で工期の短縮と費用の圧縮を狙っている。

 日本原子力研究開発機構によると、米国、カナダ、英国では政府の支援の下、民間が商業化に向け開発中。ロシア、中国は政府が開発と商業化プロジェクトを推進している。

 高市氏は「地下原発議員連盟」の顧問を務める。同議連は小型原発を地下に造ることで、立地自治体の避難計画が不要になり、テロ攻撃にも備えることができるなどと主張している。

 一方、核融合炉は「地上につくる太陽」と呼ばれ、重水素とトリチウムを燃料に原子核同士を衝突、融合させ、巨大なエネルギーを生み出すことを目指す…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部