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「ホームページがいい仕事する」盛岡のIT会社の宝探し

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
ラック社は契約企業との定期的な打ち合わせを欠かさない=筆者提供
ラック社は契約企業との定期的な打ち合わせを欠かさない=筆者提供

 地元に根をはる中小企業であっても、いまや自社ホームページで集客をしたり、情報を発信したりして売り上げアップを図ることが欠かせない。そうした中小企業のホームページ制作や運用サポートなどを展開するのが、盛岡市の「ライフアシスタンスカンパニー」(Lac=ラック)社だ。

 ラック社代表の千葉英男さん(53)は「大都市と岩手のIT格差をなくす」ことを目指して2000年に個人向けパソコン教室を開業。その後、企業のホームページ制作に事業転換し、月額定額制プランを取り入れた。顧客企業と二人三脚で“仕事をするホームページ”を数多く生み出している。

顧客企業の成功例

 同社は従業員6人で、岩手県内の中小企業約100社と契約している。ある舗装工事会社は、駐車場向けの独自技術をベースに、施工のプロセスや事例、Q&Aなどを定期的に更新することで、ホームページのアクセス数とともにメールや電話での問い合わせが増えている。工事の受注は半年先まで埋まる人気ぶりだ。

 ある果樹農園は、こだわりの完熟リンゴに蜜がたっぷり入っていることを示す写真をホームページに掲載したことが効いた。栽培から収穫、出荷までのプロセスを紹介し、千葉さんが価格の引き上げも提案した結果、全…

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クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。