メディア万華鏡

新内閣の男女比は?自民党総裁選が「見える化」したもの

山田道子・元サンデー毎日編集長
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自民党の新総裁に選ばれ、記者会見する岸田文雄氏=東京都千代田区の同党本部で2021年9月29日、竹内幹撮影
自民党の新総裁に選ばれ、記者会見する岸田文雄氏=東京都千代田区の同党本部で2021年9月29日、竹内幹撮影

 「もし首相になったら女性閣僚の割合を3割以上にする?」

 連日、民放などが長時間放送し、メディアジャックとなった自民党総裁選の期間中、河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行がそろい踏みしたフジテレビの報道番組で、こんな質問が投げかけられた。

 河野、岸田、野田各氏は「〇」、高市氏は「×」の札を掲げた。

閣僚の適材適所とは?

 野田氏は「女性が大臣をできるのは当たり前。私は当選2回で郵政大臣になったが失敗しなかった。ポストを与えることが重要。5割ぐらい女性を出せる」と意気込んだ。これに対し、高市氏は「内閣に関しては適材適所で決める。私が閣僚になった時、つらかったのは『どうせ女性枠』と言われたことだ」と答えた。

 「適材適所」は、女性を登用しない言い訳に使われてきた言葉なので、聞いていて複雑な気持ちだった。が、自民党総裁選でこんな質問がなされたのは初めてでは?

 時代はそこまで確実に変化しているのに、日本記者クラブ主催の総裁選候補者討論会で、代表質問に立った新聞社のベテラン記者4人のうち、女性がわずか1人というのは「自民党未満」に見えた。

土井たか子氏と小池百合子氏の教訓

 そんな今回の総裁選をにらんだわけではないだろうが8月末、三重大人文学部の岩本美砂子教授の「百合子とたか子 女性政治リーダーの運命」(岩波書店)が出版された。とてもタイムリーだった。

 ジェンダーの視点から、高市、野田両氏の“先達”である小池百合子東京都知事と土井たか子元社会党委員長・元衆院議長の軌跡をたどり、どうしたら女性首相を誕生させられるかを探った。この2人は「最も女性初の首相の座に近かった」からだ。

 土井氏が神戸、小池氏が芦屋と隣り合う関西の出身。リクルート事件などで政界がゆらぐ1989年の参院選は「マドンナ旋風」が吹き与野党が逆転。社会党委員長の土井氏は参院で首相指名を受け…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。