職場のトラブルどう防ぐ?

夫が早期退職で「妻が子を扶養」年末調整のメリット

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A代さん(52)は、婦人雑貨製造卸会社で企画室長として働いています。夫のB夫さん(56)と大学生の子供2人との4人暮らしです。B夫さんが今春、勤務先の希望退職に応じて離職したため、子供2人をA代さんの扶養に移して、年末調整しようと考えています。これまで子供2人はB夫さんの扶養としていました。A代さんは、税制上のメリットがあるのかどうかが気になっています。

 B夫さんは今年3月末に勤務先で役職定年を迎えました。その後は待遇が悪くなることから、それを機に、会社が募集していた希望退職に応じました。現在は知人の仕事を手伝いながら起業の準備をしています。

年末調整の仕組み

 子供の扶養制度と年末調整の仕組みについて説明します。

 会社員は毎年末に年末調整があります。年末調整は、その年の所得税について、毎月の給与から源泉徴収された税額と、実際に納める税額の過不足を精算する手続きです。

 会社員の場合、11月ごろから年末調整のための書類の提出を会社に求められます。提出書類の中には「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告書」があります。新たに扶養する家族(扶養親族)がいる場合、この申告書に扶養親族の名前、生年月日、マイナンバーの個人番号、今年の所得額を記入します。

 そうすることで、扶養親族の人数や属性に応じて、課税対象となる所得額から一定額を控除(所得控除)し、その他生命保険料や住宅ローン控除などを反映して、その年の税額が決まります。月々の源泉徴収で納め過ぎていた分は還付され、足りない分は追徴となります。

大学生などが該当する「特定扶養親族」

 A代さんの子供は2人とも「特定扶養親族」に該当します。…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/