ニッポン金融ウラの裏

公的資金を返せない新生銀行“ダメダメ”だった21年間

浪川攻・金融ジャーナリスト
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新生銀行=2019年5月15日、今沢真撮影
新生銀行=2019年5月15日、今沢真撮影

 SBIグループによる新生銀行のTOB(株式の公開買い付け)がさまざまな波紋を広げている。旧日本長期信用銀行が1998年に経営破綻し、国が公的資金を投入して再生させ、新生銀行が誕生したのが2000年。それから21年が経過した時点で、大きな岐路を迎えている。

返済は「常識的には不可能」

 今回のTOBを通じて改めて浮き彫りになったのは、新生銀行の公的資金返済能力である。同銀行はいまだに3490億円の公的資金が返済できずにいる。08年に起きたリーマン・ショック後の連続赤字などによって、公的資金を受け入れるために当初、国に発行した優先株は普通株に転換された。同行が公的資金を返済するには、自社の株価を7450円まで高めなければならない計算だが、直近の同行の株価は1900円程度だ。

 それもSBIグループがTOBに際して、1株当たり2000円という「破格に高い価格」(証券市場関係者)を提示したことによって、市場価格がそれに寄せる形で値上がりしたためだ。…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。