身近なデータの読み方

ここが問題!「安い日本」元凶はサービス業の効率悪化

篠原拓也・ニッセイ基礎研究所主席研究員
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 人口減少が進む日本では、働き手が徐々に減っていく。そうした状況の中、経済の規模を維持・拡大していくために「労働生産性を向上させる必要がある」という議論が活発だ。ところが、直近のデータによると、日本の労働生産性は低下している。特に「サービス業」で顕著だ。今回は、労働生産性の動きについてみていこう。

日本はG7で最下位

 労働生産性は、労働投入量に対して生み出される成果がどれだけあるかを表す指標だ。この指標が高いことは、効率的な働き方ができていることを意味する。

 まず、日本と主要国の比較をしてみる。国同士の比較では、労働投入量として労働者数や労働時間、生み出される成果として国内総生産(GDP)を用いるのが一般的だ。

 2019年の経済協力開発機構(OECD)のデータによると、日本の労働者1人当たりGDPは7.8万ドル(15年購買力平価ベース、米ドル換算)。これは、米国の12.5万ドル、英国の9.0万ドル、フランスの10.2万ドル、ドイツの9.2万ドルより少ない。OECD加盟37カ国中23位と低位で、G7中では最下位だ。この最下位は1993年以降続いており、日本の労働生産性は長期間低迷している。

サービス業の労働生産性が伸びない

 労働生産性が伸びない要因を産業別に探ってみよう。17~19年の1人当たり労働生産性の増減率の平均を見ると、製造業、建設業、鉱業では、日本は…

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篠原拓也

ニッセイ基礎研究所主席研究員

1969年、東京都生まれ。早稲田大理工卒。92年、日本生命入社。2014年から現職。保険事業の経営やリスク管理の研究、保険商品の収益性やリスクの評価、社会保障制度の調査などを行う。公益社団法人日本アクチュアリー会正会員。著書に「できる人は統計思考で判断する」(三笠書房)がある。