毎日家業×創業ラボ

星野リゾート代表「休暇改革が地方と観光を変える」

星野佳路・星野リゾート代表
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お盆休みに古里や行楽地へ向かう車などで渋滞する東名阪自動車道の下り線(右、写真奥が名古屋方面)=三重県四日市市で2017年8月、兵藤公治撮影
お盆休みに古里や行楽地へ向かう車などで渋滞する東名阪自動車道の下り線(右、写真奥が名古屋方面)=三重県四日市市で2017年8月、兵藤公治撮影

 長期休暇や大型連休に旅行に出ようとすると、値段が高く、どこも混んでいます。しかし、トップシーズンを外れた途端に閑古鳥が鳴く。星野リゾートの星野佳路代表は、こうした繁閑の極端な偏りが、日本の観光産業の抱える大きな課題だと考えています。今回のテーマは、観光需要の平準化。現在の状況を緩和できれば、地方経済の風景も変わってきます。

星野佳路の家業のメソッド

 まず観光産業が、地方経済に果たす役割をお話ししたいと思います。地方では、多くの伝統工芸の職人の方々が活躍しておられます。例えば、青森のねぶた、山口の萩焼……。私たち観光事業者にとって、工芸はその地域の観光の大きな魅力の一つであり、その魅力を日本中、世界中に情報発信していくのが観光の大切な役割です。

 その土地にあるものを提供する「地産地消」だけでなく、こちらから提案して作ってもらう「地消地産」の取り組みも、模索しながら進めています。

 石川県加賀市の温泉旅館「界 加賀」の事例を紹介させてください。地元には、九谷焼の若手の陶芸家がたくさんいらっしゃり、伝統を引き継ぐため一生懸命、頑張っておられます。従来は、旅館で陶芸家の方々の作品を使うということだけでしたが、最近では陶芸家の方々と一緒に…

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星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。