経済プレミア・トピックス

自民党の本音?岸田首相の「原発新増設」めぐる発言

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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党首討論会で発言する自民党総裁の岸田文雄首相=東京都千代田区の日本記者クラブで2021年10月18日、佐々木順一撮影
党首討論会で発言する自民党総裁の岸田文雄首相=東京都千代田区の日本記者クラブで2021年10月18日、佐々木順一撮影

 今回の衆院選の争点の一つは原発をはじめとするエネルギー政策だ。東京電力福島第1原発の事故以降、脱原発を求める世論が高まる中、岸田文雄首相や自民党の甘利明幹事長ら与野党幹部の発言が注目されている。

 衆院選公示前日の10月18日、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。岸田首相は「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)で再生可能エネルギーが基軸であることはその通りだが、電力の安定供給、価格を考えた場合に再エネ一本足打法では応えられない。ぜひ他の選択肢も必要ということで、原発もその一つとして認めている」と、従来の考えを繰り返した。

 岸田首相は前日の17日、福島県の東電福島第1原発を訪れ、廃炉作業や処理水をめぐる現状を視察した。その際、記者団から「首相は今後、原発の新増設やリプレース(建て替え)を行う考えはあるか」と質問されたが、明確に答えなかった。

「新増設の議論しっかり行う」

 このため党首討論会では、記者から「原発の新増設について自民党は認めているということでよいか」と質問が出た。

 これに対して岸田首相は「まずやるべきは原発の再稼働。その次に出てくるのが40年、60年という使用期限の問題だ。古い原発を使うなら、リプレースする必要があるのではないかという議論もある。この議論をしっかり行った上で方針を決めたいが、まずは再稼働にしっかり取り組みたい」と述べた。

 岸田首相は自民党総裁選でも「まず再稼働に取り組む」と繰り返し表明してきたが、リプレースを含む新増設については明言を避けてきた。今回の党首討論では、原発の新増設について「しっかり議論する」という表現ながら、踏み込んだ格好となった。

 自民党は今回の衆院選の政権公約で…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部