人生に必要な「おカネの設計」

「再雇用か転職か」62歳男性が知った失業保険の仕組み

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 会社員のA郎さん(62)は、63歳で定年を迎えます。その後は65歳まで継続雇用を続けられますが、全く経験のない仕事をすることになり、給与は大幅にダウンします。「これまでの経験を生かせる仕事をしたい」という希望があり、転職活動をすることも検討しています。その場合、定年後に望む仕事が見つかるまで失業期間が長引くかもしれないと思っています。私は、A郎さんから雇用保険の基本手当(失業保険)や転職活動について相談を受けました。

65歳未満は失業保険

 A郎さんは「転職先を探しますが、今の会社で継続雇用が終わる65歳以降に転職活動するのも選択肢の一つです」といいます。そこで私は、65歳前とそれ以降の失業保険の取り扱いについて話しました。

 雇用保険に加入している人が65歳前に退職し、ハローワークが受給の条件を満たしていて失業中と認めれば、失業保険を受けることができます。

 失業保険の受給日数は、自己都合退職の場合、雇用保険の被保険者期間が10年未満で90日分、同10年以上20年未満で120日分、同20年以上で150日分です。倒産や解雇、雇い止めなど会社都合退職の場合、年齢や被保険者期間に応じて、より手厚い受給日数が設けられています。

 失業保険の日額の上限は、離職時の年齢が29歳以下、30~44歳、45~59歳、60~64歳で異なります。60~64歳の上限額は7096円です(2021年8月1日現在)。A郎さんは被保険者期間が20年以上で、失業状態が続けば150日分まで受給することができます。

65歳以上は高年齢求職者給付金

 一方、65歳以降に退職する場…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。