熊野英生の「けいざい新発見」

「温室効果ガス46%削減」次期政権は具体策を示せ

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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温室効果ガスの削減は急務
温室効果ガスの削減は急務

 10年後の日本は大きく変わっているだろうか。10年前と現在の日本に大きな違いはないため、私たちは10年後もあまり変わらないと類推してしまう。

 しかし日本は、2030年までに経済・社会を大変革して大胆な脱炭素化を果たそうとしている。菅義偉前首相は、政府の地球温暖化対策推進本部で、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量を「2030年度までに2013年度比46%削減」とする新たな目標を決定した。そして、2050年にはカーボンニュートラルを達成すると宣言したのだ。

 カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにするということ。排出そのものはゼロにはできないので、最低限の排出量に見合った部分は温室効果ガスを吸収する活動を広げて、実質ゼロにする。

排出の8割は発電・産業・運輸

 日本は、温室効果ガスを46%も減らすことは可能なのか。基準になる2013年度の二酸化炭素(温室効果ガスを二酸化炭素換算)の排出量は14.1億トンだった。最新の2019年度の排出量は12.1億トンで、すでに6年間の実績で14.0%を削減した。つまり、残りの11年間で32.0%を削減しなくてはならない。…

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熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。