海外特派員リポート

中国の入国隔離「家族3人で3週間缶詰め」はつらかった

小倉祥徳・毎日新聞中国総局(北京)特派員
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ホテルの自室ドア付近で行われるPCR検査=中国・青島で2021年9月21日、小倉祥徳撮影
ホテルの自室ドア付近で行われるPCR検査=中国・青島で2021年9月21日、小倉祥徳撮影

日本と中国「コロナ隔離体験記」(3)

 中国・北京での単身赴任生活を終えるため、日本に一時帰国した私は、妻と1歳の娘を連れて再び中国に向かった。空港で厳しい入国審査を受け、家族3人とも3週間、ホテルの自室から一歩も外に出られない隔離生活が始まろうとしていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大後、日本から北京への直行便が運休となったため、成田から青島に到着。空港の入国審査を経て、いよいよホテルにチェックインすることになった。

 親子3人で長期間の隔離生活となるため、防護服に身を包んだスタッフに広めの部屋をお願いすると、何とか確保してもらうことができた。

 でも、ほっとしたのもつかの間、「3日目のPCR検査で陰性結果が出るまでは、奥様とお子さんとは別の部屋で過ごしてください」と告げられた。これは全くの予想外だった。

 妻は中国語がほとんど話せず、短期間でも1歳の長女と2人だけにするのは不安だった。私が再交渉しても「規則だから」と言われ、受け入れてもらえなかった。仕方ない。妻子とはビデオ通話でこまめに連絡を取るしかないと、諦めざるを得なかった。

外の景色は眺めるだけ

 部屋にたどり着くと、ベッドやトイレ、洗面台など設備は上々だった。荷ほどきを始めながら窓の外を眺めると、海と浜辺が一望できた。まるでハワイに来たかのような錯覚に一瞬襲われた。

 だが、外の景色は眺めるだけ。そもそもホテルの敷地内はおろか、朝昼晩ドアの前に配給される食事を取り、たまったゴミを捨てる以外は、自室からも出られない。

 ベランダもあったが、窓は換気のため15センチほど開くだけで外に出ることもできない。洗濯も自分で手洗いするしかないが、ベランダの手すりに日本から持ち込んだ掃除道具を引っかけ、天気の良い日はなんとか外干しすることができた。

 結局、3日後の検査は陰性で、翌日に無事妻子と合流できた。3週間の隔離中も検査は続き、PCR検査は計6回、抗体検査は1回行う徹底ぶりだった。

防護服のスタッフが自室前に

 防護服のスタッフが自室のドアの前に来るたび長女は泣き叫んだ…

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小倉祥徳

毎日新聞中国総局(北京)特派員

東京都生まれ。2001年入社。秋田支局を経て06年から東京経済部で財務省、内閣府、経済産業省、国土交通省、日銀、証券、エネルギー業界などを担当。17~19年には中部本社でトヨタ自動車などを取材した。東京経済部、外信部を経て20年10月から経済担当の中国総局(北京)特派員。