鉄道カメラマン見聞録

かつて信州で木材を運搬「赤沢森林鉄道」ナローの魅力

金盛正樹・鉄道カメラマン
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かつて木曽森林鉄道で活躍した米国製SLや車両が資料館に保存されている=長野県の赤沢森林鉄道で2015年5月、金盛正樹撮影
かつて木曽森林鉄道で活躍した米国製SLや車両が資料館に保存されている=長野県の赤沢森林鉄道で2015年5月、金盛正樹撮影

 ナローゲージという鉄道のジャンルがあります。軽便鉄道とも言いますが、一般的な鉄道よりも線路幅の狭い軽規格の鉄道のことです。日本ではJR在来線の線路幅(1067ミリ)よりも狭いものがこれに該当します。今回はこのナローゲージ鉄道についてお話しします。

 ナローゲージの魅力とは何でしょうか? ナローゲージは軽規格のため、一般鉄道と比べて低コストで敷設することができます。ゆっくりと走るため、急カーブを設けることができ、険しい地形や狭い場所にも線路を敷くことが可能です。

 その代わり車両のサイズは一般鉄道と比べてかなり小さく、デザインもどこかいびつで、運行速度も極めて遅くなっています。その姿はまさに「トコトコ走る」という表現がふさわしい可愛らしさがあります。

全国で活躍したナローゲージ

 ナローゲージは産業用に敷設したものが多く、山林で切り出した樹木、工事現場の土砂や資材、鉱山の鉱石などの運搬が主な目的です。一般人がなかなか立ち入りのできない場所が多いため、ベールに包まれた感じで、私たちの好奇心を刺激します。

 そんなナローゲージは日本でも各地に存在しましたが、道路網の整備とともに1970年代までにそのほとんどが姿を消しました。現存する国内の旅客営業線としては、三重県の三岐鉄道北勢線など3社4路線が知られていますが、さらに小規模なナローゲージの観光鉄道もあります。

 鉄道カメラマンの私は、各地で活躍していた全盛期のナローゲージの面影を垣間見たいと思い…

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金盛正樹

鉄道カメラマン

 1967年神戸市生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業後、商業写真プロダクション「ササキスタジオ」に7年間在籍。1996年からフリー。鉄道専門誌や一般誌に写真を発表している。「鉄道と名のつくものは、実物から模型、おもちゃまで何でも撮影する」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。鉄道と同じくらいクルマも好きで、愛車はスズキジムニー。機械式カメラ、日本史、日本刀など趣味多数。