経済プレミア・トピックス

「核燃サイクル」推進か撤退か衆院選公約を比較した

川口雅浩・経済プレミア編集部
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衆院選で、手を掲げ支持者に訴える候補者。原子力政策も争点の一つだ=埼玉県内で2021年10月19日、橋本政明撮影
衆院選で、手を掲げ支持者に訴える候補者。原子力政策も争点の一つだ=埼玉県内で2021年10月19日、橋本政明撮影

 今回の衆院選の争点の一つは原発をはじめとする原子力政策だ。原子力政策の中で、先の自民党総裁選で河野太郎氏が見直すべきだと主張し、議論を呼んだ核燃料サイクルをめぐる主要政党の政策はどうなっているのだろうか。

 核燃料サイクルとは、原発の使用済み核燃料を再処理し、取り出したウランとプルトニウムを再利用しようとする国策だ。

 ところが青森県六ケ所村の再処理工場はトラブル続きで完成していない。海外に再処理を委託して取り出したウランとプルトニウムを燃料に加工し、既存の原発で使う「プルサーマル発電」も計画通り進んでいない。再処理後に残る「核のごみ」(高レベル放射性廃棄物)の処分地も決まっていない。

 このため河野氏は総裁選で「今の原子力発電の最大の問題は『核のごみ』の処理が決まっていないことだ。使用済み核燃料を再処理してもプルトニウムの使い道がない」などと持論を展開した。

自民党と公明党は核燃料サイクル推進

 今回の衆院選の主要政党の中で、原発の推進を明確に掲げているのは自民党と「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」だ。

 自民党は核燃料サイクルについて「関係自治体や国際社会の理解を得つつ再処理やプルサーマル等を推進する。再処理工場の操業に向けた準備を着実に進める。高レベル放射性廃棄物について、最終処分に向けた取り組みを着実に進める」としている。これは政府・自民党の従来通りの主張だ。

 公明党は「原発の新設を認めず、将来的に原発ゼロをめざす」としているが、核燃料サイクルについて「関係自治体や国際社会の十分な理解と協力を得ながら、国が前面に立って取り組む」としている。

 公明党の政策は連立政権を組む自民党に近いが、NPO法人「原子力資料情報室」の松久保肇事務局長は「核燃料サイクルをやれば余剰プルトニウムが発生する。原発をやめると言いながら、核燃料サイクルを続けるというのは矛盾するのではないか」と指摘している。

野党各党の対応は?

 一方の野党は…

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川口雅浩

経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。