人生100年時代のライフ&マネー

誕生20年の確定拠出年金「わかりにくい制度」の壁

渡辺精一・経済プレミア編集部
  • 文字
  • 印刷
 
 

 老後資金作りのための私的年金である確定拠出年金(DC)制度が誕生してから20年。2021年3月末の加入者数は941万人と現役世代(20~50代)の15%を占め、主要な年金制度として定着した。公的年金の給付水準引き下げが見込まれるなか、それに上乗せできるDCの役割は老後生活の支えとして重要になっている。だが、この先、さらに普及するには課題もありそうだ。

20年で中身も拡充

 DCは、掛け金を個人ごとに区分し、加入者自身が運用する自己責任型の年金だ。企業年金の一つで会社が社員のために掛け金を負担(拠出)する「企業型」と、個人が任意で加入し、自分で掛け金を負担する個人型の「イデコ(iDeCo)」がある。ともに掛け金には課税されず、投資信託などの運用益も非課税となる税優遇がある。

 DC制度は01年10月スタートした。行き詰まっていた企業年金制度の改革が大きな目的だった。

 当時の企業年金は厚生年金基金などが中心で、将来の給付額があらかじめ決まった確定給付型だけだった。だが、バブル崩壊後、約束した利回りで運用できずに積み立て不足となる企業が増え、企業会計制度も厳格化されたことから、経営上の重しとなっていた。

 そこで、企業年金制度を組み換え、全く新しい仕組みのDCを導入した。DCは、会社が掛け金を出した時点で将来の給付義務は果たしたことになり、経営への影響が軽減される。

 この20年で制度は拡充し、加入者も増えてきた。企業型DCは当初、掛け金を負担できるのは会社だけだったが、12年には、加入者がそれに上乗せして掛け金を増やせる「マッチング拠出」ができた。また、イデコは当初、勤務先に企業年金の…

この記事は有料記事です。

残り1613文字(全文2311文字)

渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。