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星野リゾートも成功ばかりじゃない?「運営終了」のナゼ

星野佳路・星野リゾート代表
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星野リゾートの星野佳路代表=東京都千代田区で、手塚耕一郎撮影
星野リゾートの星野佳路代表=東京都千代田区で、手塚耕一郎撮影

 各地のホテル・旅館運営で成功を重ねてきたように見える星野リゾートですが、高知・室戸岬や三重・志摩など、今では星野リゾートが運営をしていない施設もあります。この連載の読者からも「失敗事例から星野リゾートが学んだこと」を聞きたいというご意見が寄せられています。星野リゾートがこれらの案件で運営終了に至ったのは、なぜだったのか。星野佳路代表が語ります。

星野佳路の家業のメソッド

 星野リゾートは、リゾート施設の運営に特化した会社であり、施設そのものや施設の立地する土地はオーナーや投資家が所有しています。つまり星野リゾートは不動産リスクを背負っていないので、事業として立ち行かなくなって撤退したという事例はありません。

 逆に言うと、不動産を所有していないため、私たちは施設のオーナーや投資家とパートナーシップを組まないと仕事ができません。過去には、オーナーの施設売却や、自社での運営開始、あるいは運営方針や投資計画で折り合いがつかないなどの理由で、星野リゾートの運営が終了したということがありました。

 具体的に見ていくと、これまでに高知・室戸岬や福島・裏磐梯、三重・志摩、京都・比叡山、タヒチといった施設で運営が終了しています。

 それぞれの施設に合った集客体制、運営ノウハウを積み上げていたので、残念ではありましたが、私たちは施設を所有しない運営特化会社ですから、オーナーの意向次第で、結果的に案件がなくなるということはあります。

施設オーナーとの「フラットな関係」

 私たちにとって、施設のオーナーや投資家は非常に重要なパートナーです。私たちのノウハウや専門知識、運営手法を評価してもらって、契約を結び、運営手数料をいただくという関係にあります。

 オーナーと運営会社というと、一般的に上下関係になりがちです。

 しかし、私たちは単なる施設管理会社ではありません。リゾート運営は、施設管理・運営に加え、マーケ…

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星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。