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不正会計から6年「東芝分割案」行き着く先は解体か

今沢真・経済プレミア編集部
東芝は会社分割を検討していることが明らかになった=東京都港区で2021年4月、小出洋平撮影
東芝は会社分割を検討していることが明らかになった=東京都港区で2021年4月、小出洋平撮影

 東芝が、会社を主要事業ごとに三つに分割し、それぞれが上場する案を検討していることが明らかになった。分割後の各企業の成長戦略を描いて事業の価値を最大限、株価に反映させる狙いだ。だが、成長軌道に乗らなければ事業の切り売りを迫られかねない。“東芝解体”がついに現実味を帯びてきた。

 分割対象は「インフラ」「デバイス」「半導体メモリー」の3事業だ。インフラは発電関連設備やエレベーターなど、デバイスはハードディスク駆動装置(HDD)やパワー半導体などが中心となる。半導体メモリーは、約4割を出資するキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)の株式保有会社になるとみられる。

 東芝は複数の海外投資ファンドが株主の上位を占め、ことあるごとに企業価値の向上を迫られていた。海外ファンドに歩み寄る形で「会社3分割」が浮上したとみられる。ただ、分割後に各社がどこまで成長戦略を描けるか。事業が…

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経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。同9月から編集部総括。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。