海外特派員リポート

わずか30分で終了「OPECプラス」なぜ追加増産見送り?

横山三加子・毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)
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記者会見するサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相=2021年11月4日、OPECプラスのオンライン会見から
記者会見するサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相=2021年11月4日、OPECプラスのオンライン会見から

 原油高で注目された石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国による「OPECプラス」の閣僚級会合。日米などの増産要求に対し、追加増産をあっさりと見送ったOPECプラスだが、11月4日の会合後に開いたオンライン記者会見は、いつもより気合の入った内容で驚いた。

 石油消費国の日本ではガソリン価格の高騰が気になる。日米の要求をよそに増産を見送った産油国側の言い分とは、一体どんなものなのか。

 この日の会合は開始からわずか約30分で終了した。産油国の利害調整の複雑さから、普段の会合は日付をまたぐことも多いだけに異例の早さだった。追加増産について議論する気はないという、産油国の強い意思表示とも受け取れた。

 今回、OPECプラスは、協調減産幅を毎月日量40万バレルずつ減らして供給量を増やすという従来方針を12月も維持することを決めた。新型コロナウイルスの感染再拡大による需要減の懸念があることや、段階的な増産を続けることで、いずれ需給は安定するとの理由からだ。

存在意義を改めて主張

 記者会見はその存在意義を改めて主張するところから始まった。OPECプラスは産油国が生産面で歩調を合わせることによって価格形成する機能を持つ。ところが、OPECを主導するサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は「私たちはカルテルと呼ばれるようなものではなく、規制を必要とする市場に対応する規制機関だ」と強調した。

 さらに、非加盟国の中心であるロシアのノバク副首相が「私が出した答えは、世界の需給バランスや市場への影響など全てを考慮したものだ」と応じた。OPECプラスは価格のためではなく、市場の安定のために…

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横山三加子

毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)

1981年、埼玉県生まれ。法政大学社会学部卒。2004年、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪本社経済部を経て13年から東京本社経済部。電機・通信業界、経済産業省や財務省、財界などを担当。19年10月から現職。