
東芝とGEの企業分割(下)
東芝と米ゼネラル・エレクトリック(GE)が会社を3分割する計画をほぼ同時に発表し、注目を集めている。GEは「20世紀最高の経営者」と称されたジャック・ウェルチ氏が会長兼最高経営責任者(CEO)を1981年から20年間務めた。一方、東芝の経営者はウェルチ氏の「事業の選択と集中」にならい、原発と半導体を柱に据えた。ところが米原発破綻など曲折の末に今日の事態に至った。両社の経営者がたどった道を振り返る。
「20世紀最高の経営者」
ウェルチ氏は60年にプラスチック部門の技術者としてGEに入社。若くして頭角を現し、81年に45歳で会長兼CEOに就任した。業界シェアが1位か2位でない部門はGEには不要であるとして次々と事業売却を行った。その一方で柱と位置づける事業に投資を集中させる「選択と集中」を進めた。買収も積極的に行い、金融事業を柱の一つに育てた。
思い切った人員整理を行う半面、多数の社員にストックオプション(一定価格で自社株を買い取る権利)を付与。事業部門の長の大半に4…
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