東芝問題リポート

東芝とGE「事業の選択と集中」突き進んだ末の“分割”

今沢真・経済プレミア編集長
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東芝の看板=東京都港区で2015年12月28日、内藤絵美撮影
東芝の看板=東京都港区で2015年12月28日、内藤絵美撮影

東芝とGEの企業分割(下)

 東芝と米ゼネラル・エレクトリック(GE)が会社を3分割する計画をほぼ同時に発表し、注目を集めている。GEは「20世紀最高の経営者」と称されたジャック・ウェルチ氏が会長兼最高経営責任者(CEO)を1981年から20年間務めた。一方、東芝の経営者はウェルチ氏の「事業の選択と集中」にならい、原発と半導体を柱に据えた。ところが米原発破綻など曲折の末に今日の事態に至った。両社の経営者がたどった道を振り返る。

「20世紀最高の経営者」

 ウェルチ氏は60年にプラスチック部門の技術者としてGEに入社。若くして頭角を現し、81年に45歳で会長兼CEOに就任した。業界シェアが1位か2位でない部門はGEには不要であるとして次々と事業売却を行った。その一方で柱と位置づける事業に投資を集中させる「選択と集中」を進めた。買収も積極的に行い、金融事業を柱の一つに育てた。

 思い切った人員整理を行う半面、多数の社員にストックオプション(一定価格で自社株を買い取る権利)を付与。事業部門の長の大半に4…

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今沢真

経済プレミア編集長

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。