人生に必要な「おカネの設計」

定年前の男性「67歳まで再雇用あり」年金どうすれば?

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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59歳会社員の老後設計(上)

 会社員のA夫さん(59)は60歳で定年を迎え、その後は継続雇用で67歳まで今の会社で働くことができます。定年後の暮らし方について計画を立てているところです。2022年4月の年金改正で現行の制度が変わることを踏まえて、「今後の働き方を含めて老後の生活設計を考えたい」と私のところに相談に来ました。

60代前半の生活設計に無理はない

 現在、A夫さんは年収約1000万円で、妻(59)と2人暮らしです。継続雇用になると年収は半分ほどの約500万円になります。会社には企業年金があり、60歳から70歳まで年約100万円を受け取れます。

 60歳定年時には退職金が約1000万円出ます。退職金を合わせると、60歳時点の貯蓄額は約1600万円になります。A夫さんは「住宅ローンを完済する65歳までは働き続けたい」と考えており、60歳から65歳までは住宅ローンを含めた生活費を年約500万円と見積もっています。約100万円の企業年金は貯蓄に回し、65歳時点で約2100万円の貯蓄を見込みます。

 私は「A夫さんの60代前半の生活設計に無理はない」と考えました。そこで、来年4月の年金制度の改正を踏まえて、65歳以降の働き方などについてアドバイスしていくことにしました。

22年4月に年金制度が改正

 年金制度は来年4月に、年金受給開始時期の拡大▽在職中の年金受給のあり方の見直し▽確定拠出年金の要件緩和▽被用者保険の適用拡大――などの変更があります。私はA夫さんに関わる部分について説明することにしました。

 まず、年金受給開始時期の拡大です。高齢者の就労が増えていることに合わせて、…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。