経済プレミアインタビュー

グノシー創業者「起業をビビる理由なんてなかった」

松岡大地・外信部記者
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LayerX(レイヤーエックス)CEOでグノシー創業者の福島良典氏=LayerX提供
LayerX(レイヤーエックス)CEOでグノシー創業者の福島良典氏=LayerX提供

 米国の巨大IT企業群「GAFA」の存在感が日々増す中、日本でも「メガベンチャー」誕生の待望論が強まっている。東大大学院在学中に、ニュース配信「グノシー」を創業し、現在はDX支援の「LayerX」(レイヤーエックス)の最高経営責任者(CEO)を務める若き起業家の福島良典氏(33)は「日本がGAFAに勝てるかどうかはあまり意味のない問いだ」と話す。それでは、どうすれば日本から世界的なスタートアップ企業が生まれるのだろうか。福島氏に「日本に必要なこと」を聞いた。【聞き手・松岡大地/経済部】

 ――今でこそ、大学発スタートアップ企業が増えましたが、福島さんの在学中はまだ少なかった。

 ◆福島さん 今では信じられませんが、10年ほど前、東大生の間でソフトウエアエンジニアは人気のない職業で、まともにプログラムコードを書ける人はほとんどいませんでした。多くの人にとって花形といえば、外資系のコンサルや商社、広告代理店で、周りに起業した人もほとんど見当たりませんでした。

 一方、大学院1年生だった2011年に同級生3人で始めたグノシーは、1日あたりの利用者(アクティブユーザー)数が万単位になるなど爆発的に成長していました。当時の自分としては想像を超える規模になり、サーバー代が学生で払えないような金額に膨らんでいました。

 ――在学中に大きな可能性を感じていたわけですね。

 ◆卒業するタイミングで「卒業後、このサービスどうしようか?」という話になりました。スマートフォンが普及し情報があふれていく中で、ニュースを選別して、その情報を求めるユーザーに届ける「配信」という部分にアルゴリズムが入ってくる未来は120%来る、グノシーのサービスの方向性やコンセプトは正しいと思っていました。

 もし僕らが普通に就職し、このサービスをやめてしまったら、誰かがその穴を埋めるように、同種のサービスを展開していくかもしれない。もっとリスクを取る人たちが、僕らが信じている未来を実現してしまうかもしれないと思った時にそれが悔しかった。

 ――とはいえ、起業することにリスクは…

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松岡大地

外信部記者

1989年、岩手県生まれ。青山学院大卒。地元のテレビ局勤務を経て、2014年9月、毎日新聞社入社。静岡支局、東京経済部を経て、22年4月から外信部。