ニッポン金融ウラの裏

就任10年目?「任期が長すぎる社外取締役」は是か非か

浪川攻・金融ジャーナリスト
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 企業の間で、来年の定時株主総会に向けて社外取締役の候補者を選ぶタイミングが訪れている。そこで議論の一つとして浮上してきたのが社外取締役の任期である。機関投資家から、任期が長期化した社外取締役の改選を求める声が強まっているからだ。

 2021年3月施行の改正会社法で、上場企業は社外取締役の選任が義務づけられた。また東証の規則などで、社外取締役の比率を高める動きが続いている。その一方で、法律や規則や東証のコーポレートガバナンス・コードには社外取締役の任期は規定されていない。

 多くの社外取締役は任期1年で、任期が長期化する場合は、毎年の株主総会で再選されてきた。日本で、一定の任期を設ける必要性が議論されてきたわけでもない。しかし、米国では社外取締役の任期に関する議論はかねて行われてきた。社外取締役の任期に上限を設ける必要があるかどうか、といった論点だ。

16年目の社外取締役も

 そうした議論が、わが国にも最近になって出始めた。というのも、いち早く社外取締役制度を導入した上場企業のなかで、任期を迎えた社外取締役が毎年の株主総会で再任され続け、同じ人物が就任から10年以上も社外取締役を務めているケースがあるからだ。

 経済産業省が20年に発表した東証1部・2部の全…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。