シニア市場の正体

瀬戸内寂聴さんがシニア女性に伝えた「新鮮さを保つ」

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
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寂庵法話で来場者に語りかける瀬戸内寂聴さん=京都市右京区の寂庵で2020年1月19日、清水有香撮影
寂庵法話で来場者に語りかける瀬戸内寂聴さん=京都市右京区の寂庵で2020年1月19日、清水有香撮影

 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが今月9日、99歳で生涯を閉じました。私が所属する会社のシニア女性向け月刊情報誌「ハルメク」は、瀬戸内さんに巻頭インタビューや特集で何度も登場してもらいました。

 瀬戸内さんは誌面で、家族や友人との行き違いや葛藤、体の不調、老後の不安などシニア女性が抱く悩みに答えていました。作家、僧侶として一貫して伝えてきた愛や生に関することが多くを占めます。

 一方で、それ以外にも、ご自身のライフスタイルを示すことで、シニア女性の生活に張り合いや豊かさをもたらすヒントを伝えていました。今回は、そんな瀬戸内さんの横顔を、私たちが行った調査結果や読者からの声も踏まえながら、紹介したいと思います。

90代後半でインスタ

 瀬戸内さんは、新しいことにもちゅうちょなく自然に取り組む姿勢を見せていました。3年前の2018年には、次のように話しています。90代後半になって、SNS(ネット交流サービス)の写真共有アプリ「インスタグラム」を楽しんでいました。

 「最近、秘書の発案でインスタグラムを始めたんですよ。毎日フォロワーが増えるのが面白くて、朝起きると秘書に『いくら増えた?』って聞くの(笑)。新しいことって何だか気になるじゃないですか。(中略)年齢なんて関係なく、いつまでも新鮮でいられますよ」(「ハルメク」18年8月号)

 読者からは「前向きに考え、実行することがなかなかできないので、瀬戸内寂聴さんの…

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梅津順江

株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。