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星野リゾートが実践する「必達目標なんていらない」

星野佳路・星野リゾート代表
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星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で、小川昌宏撮影
星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で、小川昌宏撮影

 星野リゾートの星野佳路代表は「社内で細かい目標を立てないようにしている」と話します。リゾート施設の再生は、正しいマーケティングを実施していても、業績に現れるまで施設によっては時間がかかるケースもあるからです。しかし、目標は細かく立てた方が、組織の動きが素早くなるような気もします。細かい目標設定の何が問題なのか。星野さんが解き明かします。

星野佳路の家業のメソッド

 前回、星野リゾートはリゾート施設の運営に特化した会社であり、施設や土地を所有するオーナーや投資家と、良いパートナーシップを組むことが大切だとお話ししました(星野リゾートも成功ばかりじゃない?「運営終了」のナゼ参照)。

 オーナーや投資家にとっては、投資に対するリターンが重要ですから、シーズンごとの収益目標、年単位の収益目標、今後3~4年で収益をここまで持って行きましょうという目標はあります。また、今月と来月、再来月といった時間軸でも一応、目標を定めていますが、それを「必達目標」にはしていません。

 星野リゾートとしても、何年までに運営案件を何件まで持っていこうとか、売り上げをどこまで増やしていこうという目標は持っていません。それより、リゾート施設運営会社として、正しいマーケティングを行うこと、具体的には各施設が長期的に持続可能な集客力を確保できるようにすること。そこに向かってぶれずに進むことが大切だと考えています。

 私は、細かい目標…

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星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。