ニッポン金融ウラの裏

山口FG対立劇の発端「消費者金融銀行」の不健全さ

浪川攻・金融ジャーナリスト
  • 文字
  • 印刷
記者会見で、山口フィナンシャルグループのCEO職を解任されたことなどについて話す吉村猛氏(左)=東京都中央区で2021年11月29日、大西岳彦撮影
記者会見で、山口フィナンシャルグループのCEO職を解任されたことなどについて話す吉村猛氏(左)=東京都中央区で2021年11月29日、大西岳彦撮影

 中国地方の地銀グループ、山口フィナンシャルグループ(FG)の前最高経営責任者(CEO)と取締役会の対立が続いている。取締役会側は、12月24日に開催する臨時株主総会で、前CEOである吉村猛取締役の取締役解任を提案し、株主の審判を仰ぐ。

 ことの発端は、吉村氏がCEOとして準備を進めた消費者金融専門銀行の設立構想だ。取締役会は、これを吉村氏の独走であり取締役会の規則に反すると認定し、CEO職を解任した。続いて、取締役の解任に向けて臨時取締役会の招集を決議した。

 これに対して吉村氏は「地銀改革を嫌う守旧派が起こした違法なクーデター」と主張。解任の経緯・理由について「中立な第三者委員会による調査」を求めている。両者は真っ向から対立したままだ。そこで発端となった銀行構想の中身を改めて考えてみたい。

アイフルが51%出資

 構想は、消費者金融大手アイフルとの合弁で消費者金融を専門とする銀行を設立するものだ。出資比率はアイフルが51%で、全国展開を目指すという。取締役会が設置した社内調査本部の報告書によると、「利息のみ返済ローン」という独自商品を目玉にする予定だった。

 このローンは、年収300万~400万円ほどの「マスリテール層」が対象だ。毎月一定金額、例えば10万円を個人に貸し付け、当初は利息だけ返済してもらう。個人ごとに設定した数百万円程度の上限額に達すると貸し付けを停止し、その後は元利返済に移る。ただし、生命保険にすでに加入していたり新たに加入したりすると、その保険金額が貸し付けの上限額となる。

 この商品をもって「生涯…

この記事は有料記事です。

残り880文字(全文1545文字)

浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。